この暮らしの豊かさは・・・

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なんて豊かな暮らし方をしているんだろう。

毎週の日曜日に、私は近くの市場のお花屋さんに行って、バラ一本を頂きます。そして、ついでに、隣のお店で、人参とほうれん草もいただきます。大好きなアーモンドもそこでいただく時があるが、今回は代わりに、特別に、秋のとっておきの恵み、柿を頂くことにしました。そして、うちに帰ったら、その日の晩ご飯となる、お野菜たっぷりレモン粥の支度をします。煮込み終えるまでは一時間ほどかかりますから、出来上がるのを待っている間、私はしばらくベッドで横になります。朝の草木はもうきらきらした霜に覆われているほど冷え込んでいるから、部屋の中でも少し涼しい。そのときは私の宝物でもある、羊の温かい羊毛製の毛布が便利で、それに自分を包まれます。

そして、そのときには思う訳。

「なんてぜいたくな暮らしだろう。」

「この豊かさって、いったい何だろう。」

「どうしてこうなっているんだろう。または、誰のおかげで?」

「私にはちゃんとした、感謝の意識があるのかな。」

アーモンドや柿をくれたその特定の木のために、私は何もやってあげられていないのではないかと、その時に気づいたんだ。ただひたすらに一方的に命のある自然豊かな生き物の恵みをいただいているだけなのではないか。または、大好きなその羊毛製の毛布もどこかのある羊の存在のおかげ様でできているんだね。もちろん、毛布を買ったときにお金の一分はその羊のお世話をしてくれる農家さんの方へ行くんだろうが、その特定の羊のために私は直接に何もしてあげられていません。しかも、体からその羊毛を取って良いかどうか、聞いていません。ただ勝手に、自分にとって都合の良いように。

そういえば、寝るときに使う布団もどうしてこんなにあったかくて柔らかいんだろう。何が入っているんだろう。ラベルを読んでみると、どうやらガチョウの羽だそうです。それも同じように、取って良いかどうかという問題はもちろんあるが、羊の羊毛の場合よりも大変なことかもしれない。もしかして、こんなりっぱな布団を作るには何匹もの鵞鳥の命がかかったのかな。羊の羊毛を取るのとはちがって、鳥の羽を取るのはだいたい命を奪ってからやるのが普通なのではないかな。だから、本当に「ごめんなさい。」でも、やっぱり、「ありがたい。」なければ、こんなあったかくて心地の良い布団が出来る訳ないからです。これはこの世界の厳しさと醜くさでもあれば、豊かさと美しさでもある。ただ、これらのことを軽く、当たり前に思っては行けないなぁと思います。しかも、私にはその当たり前の心はやっぱりあると、このとき気付き、自分にこんな大切なことを忘れないように、この文を書くことにしたんだ。

つまり、私にこんな豊かな暮らし方ができているのは、動物たちのお蔭様でもあれば、植物たちのお蔭さまでもある。そういえば、木の身でできているものも山ほどあるのでしょう。部屋の中を見ているだけでも、ベッド、机、椅子、本棚、しかも床や天井の板や建物そのものまで。でもそれだけじゃありません。トイレットペーパーやティッシュペーパー、ノートのページなど、全部、命のあった木の身でできてますよね。そんなこと、私は普段十分に深く意識していなくて、中途半端な感謝の程度で当たり前のように使っていることが多いんだ。それはやっぱり、行けないなぁと思います。

要するに、私の暮らしの豊かさは数多くのもののお蔭様で成り立っています。命のあった羊や鵞鳥。レモンやアーモンドの木。しかも食用のお肉になってしまう多くの動物たち。そして、このすべてを可能にしてくれる、地球のお母さま。太陽。そして、神。

それで、しばらくこんなことについて考えたり、文を書いたり、私には何か変化ありましたか?うん、ありました。例えば、鼻をティッシュペーパーでかむときは小さなお辞儀をしながら、「ありがとう。命を~」とその木の方へ感謝の気持ちを送るようにします。または、外から来て、羊毛製であるマフラーやニット帽子を脱ぐときには似たように、「ありがとう。」と羊毛の良い匂いを吸いながら感謝の気持ちをその羊に送ろうと。または、羊毛の毛布は使っていないとき、きれいに畳むようになりました。他にも私にできることを考えてみると、やっぱり「もの」を大切にすることなのではないかな。つまり、私が持っている、大地の恵みで出来ているものをきれいに洗ったり、畳んだり、直したりすること。そして、新しいものをできるだけ買わなくて、中古のものを探したり、または既に持っているものを工夫して使ったり、直したりすることなど。しかも、命のあったものを必要以上いただかないこと。ただ「うまいから」って大量を食べたりするのはやっぱり抵抗を感じさせます。

このように、私はこれだけたくさん豊かなものを頂いているから、やっぱり世界にその「恩」を返さなくてはなりません。このときは魔女の宅急便のキキの言葉を思い出す。

「お金だけもらえないよ。私うんと働くから!」

私もそういう気持ちで、こんな豊かな暮らしの御恩を少しでも返せるようになるように、頑張っていきます。うんと働くよ。(^-^)